スキルアップ講座
第1回 暦(こよみ)の見方
毎年、暦(こよみ)が出版されていますが、この暦をうまく活用することで、より良い生活の指針として役に立てて頂きたいと思います。
暦には、一般に使わないような用語が沢山使用されています。暦の意味が解ると、今日はこういう日なのか というのが解って来ます。
十干・十二支
中国で、3500年程前から使われていた。干(かん)を天干(てんかん)といい、支(し)を地支(ちし)という。
干の数は、十で、支は十二ある。それぞれ陰と陽がある。「え」は兄・陽を表し、「と」は弟・陰を意味します。
これに五行説が加わり陰陽五行説となった。
五行とは、木・火・土・金・水 「もく、か、ど、ごん、すい」で、世の中のものはすべてこの5つの要素で成り立っているという説です。
十干を陽と陰、五行に分けると、次のようになります。
五行 木 火 土 金 水
兄(え)陽 甲きのえ 丙ひのえ 戊つちのえ 庚かのえ 壬みずのえ
弟(と)陰 乙きのと 丁ひのと 己つちのと 辛かのと 癸みずのと
き・ひ・つ・か・みと覚えましょう。
十二支は、ご存じの様に、「私は〜年生まれ」と十二の動物に当てて言います。
また、時刻も現します。一時(いっとき)を2時間として、十二支で24時間。
子ね・丑うし・寅とら・卯う・辰たつ・巳み・
午うま・未ひつじ・申さる・酉とり・戌いぬ・亥い
このように、十干と十二支を相互に組み合わせて、六十干支が成り立っていて、これを古くから、干支(えと)と呼んでいます。現在、「えと」といえば、生まれ年の事を指すようですが、正しくは、十干十二支を「えと」と言います。
六十年で元に戻りますので、還暦といいます。
九星(気学)
一白から九紫までの9つの星を言います。九星は毎年・毎月・毎日、一定の法則で各方位へ移動します。方位盤で中央に入った年・月・日で、その年の方位盤を年盤といい、その月の方位盤を月盤といい、その日の方位盤を日盤と言います。
その配置は、年盤は一年間、月盤は一ヶ月、日盤は一日移動しません。
この九星の位置で、運勢や吉方凶方や、世の中の情勢まで判断する事が出来ます。
九星は以下の9つがあります。
- 一白水星
- 二黒土星
- 三碧木星
- 四緑木星
- 五黄土星
- 六白金星
- 七赤金星
- 八白土星
- 九紫火星
まず、自分の九星を知りましょう。
【九星早見方】
- 平成・昭和生まれ・・・その年を足していき、1桁にする。12よりその数を引く。引いた数が2桁の時は 足して1桁にする。
- 大正生まれの場合・・・その年を足していき、1桁にする。8よりその数を引く。引いた数が2桁の時は、足して1桁にする。
- 西暦で見る場合・・・4桁を足していき、1桁にする。11よりその数を引く。引いた数が2桁の時は、足して一桁にする。
《例》
- 平成元年は、1、12-1=11、1+1=2 二黒
- 昭和45年は、4+5=9、12-9=3 三碧
- 1968年は、1+9+6+8=24、2+4=6、11-6=5 五黄
余り0は、九紫とします。
方位
五大凶
- 本命殺
- 自分のいる方向。この方位を犯せば重大な影響ある。移転・増築は危険。
- 的殺
- 自分がいる方向の真向かい。物事の食い違い、目的が裏目にでる。
- 暗剣殺
- 五黄の真向かい。最も強力な凶方位。他動的、他発的な災害。
- 歳破殺
- その年のえとの真向かい。万事、物事の破れ。
- 五黄殺
- 五黄が滞在する方向。暗剣殺同様の凶作用。自発的、自動的な禍(わざわい)を被る。
吉神と凶神
吉神
- 恵方(えほう)
- 歳徳神の方位。あきの方。万事に用いてよし。
- 大歳(たいさい)
- その年の十二支の方位。
- 天徳(てんとく)
- 禍を排除する吉の神。
凶神
- 大将軍(だいしょうぐん)
- 木の伐採、葬式慎む方位。
- 太陰(たいいん)
- 女性に関する事に凶。
- 歳刑(さいきょう)
- 土をいじる事を謹む方位。
- 歳殺(さいさつ)
- 雇入れ、金銭に関わる事、慎む方位。
- 黄幡(おうばん)
- 建築、移転、金銭関係に関して凶。
- 豹尾(ひょうび)
- 大小便する事慎む方位。
- 姫金神(ひめこんじん)
- 盗難、けがのある方位。
十二直
江戸時代の「かな暦」の中段に記載されていた。日々の吉凶を占ったもので、今日も暦上で用いられる。
- 建 たつ
- 神仏祭祀、棟上げ、旅行、新しい衣類の着始め吉。動土、蔵開きは凶。
- 除 のぞく
- 百凶を除き去る日。種まき、医師かかり始め吉。結婚、貸金は凶。
- 満 みつ
- 建築、移転、旅行、結婚等すべてに吉。動土、医師かかり始め凶。
- 平 たいら。
- 祝事、結婚、移転、種まきに吉。池作り、穴掘り凶。
- 定 さだん
- 定めるのによい日。建築、移転、結婚、交渉契約、規則の制定に吉。
- 執 とる
- 物を受け取る日。五穀の取り入れ、結婚、建築は吉。物をだすのは凶。
- 破 やぶる
- 家屋の取り壊し、争い、訴訟等、荒い事吉。建築、結婚は凶。
- 危 あやぶ
- 神仏祭祀、伐採、酒作り、結婚吉。旅行、登山、釣りは凶。
- 成 なる
- 物事の成就日。建築、結婚、入学、種まき吉。訴訟は凶。
- 納 おさん
- 万事を収納に良い日。五穀収納、買い物、建築吉。神仏祭祀は凶。
- 開 ひらく
- 入学、開店、習い事始め、建築、移転、結婚に吉。葬式等不浄事は凶。
- 閉 とづ
- 諸事閉止する日。金銭収納、建墓等は吉。建築、開店、結婚は凶。
二十八宿
天を二十八の星宿に分け、東西南北に7つの星宿を配した。
月が、日に1宿ずつ通過するものと考える。
これを、月、日に配して吉凶を占った。
中国より伝わった頃は、「牛宿」がなく二十七宿。
日蓮宗では、この姿をとっているために「牛宿」は配当に入りません。また、一般の暦とは二十八宿の順序が違います。
雑節・行事
- 小寒
- 寒の入り。本格的な冬。1月6日頃。
- 大寒
- 冷気の極で、小寒から16日目。1月21日頃。
- 節分
- 立春の前日。本来は、立春・立夏・立秋・立冬の前日の事をいった。1年の最後の日。豆まきで、邪気を払い、幸福を願う行事が行われます。
- 初午
- 2月の初めての午の日。稲荷の日。
- 八十八夜
- 立春より88日目で、種まきにいい時期。5月2日頃。
- 入梅
- 梅雨入りの日。二十四節気の夏至を中心に約40日間の時期。
- 夏至
- 一年中で一番昼が長い日で、反対に夜が短い日。6月21日頃。梅雨の時期で、それと実感されにくい。
- 半げ生
- 梅雨明け。7月2日頃。はんげという薬草が生える時期。
- 二百十日
- 立春から数えて210日目。9月1日頃で、台風の季節。
- 冬至
- 一年で、最も昼が短く、夜が長い日。12月22日頃。
- 土用
- 立春・立夏・立秋・立冬前の18日間で、年に4回ある。土公神の遊行日とされ、土をいじる事を慎む。
- 甲子
- 十干十二支の初め。始まり。60年で一巡する。縁起の良い日。大黒天の縁日。
- 庚申
- 帝釈天の縁日。眷属に猿がいる。
- 己巳
- 弁財天の縁日。
- 八専
- 壬子(みずのえね)の日より癸亥(みずのとい)の日までの12日間。そのうち、癸丑(みずのとうし)、丙辰(ひのえたつ)、戊午(つちのえうま)、壬戌(みずのえいぬ)の4日を間日といい、無関係。結婚、神仏祭祀、建築に凶。
- 社日
- 3月9月の春分、秋分の日に近い戊(つちのえ)の日。
- 三伏日
- 夏至の後の第三(初伏)、第四(中伏)、立秋後の初め(末伏)の庚(かのえ)の日。種まき、婚姻、旅行によくない日。
- 天一天上
- 天一神が天上へ昇る日で、癸巳(みずのとみ)の日から戊申(つちのえさる)の日までの16日間をいう。不浄を慎む日。
- 天赦日
- 大吉日。結婚、開店、新規開始に吉。
- 一粒万倍日
- 一粒の種が、万倍にもなるという吉日。何事においても吉。
- 不成就日
- その名のとおり、何をやっても成就しない日。
- 三隣亡
- 建築関係においては凶日。犯すと、三隣(隣近所)を亡ぼすといわれる。
- 十方暮
- 甲申(きのえさる)の日より、癸巳(みずのとみ)の日までの10日間。結婚、交渉、移転、旅行は凶。
六曜
日ごとの吉凶占いで、一番知られている。
中国より伝わる。名称や解釈、順序は明治以降に今の形になった。
六曜は孔明六曜星とも呼ばれ、諸葛孔明が発明し、六曜を用いて軍略を立てていたとの俗説がある。
- 先勝
- 「先んずれば即ち勝つ」物事を早めに行えば吉。午後は凶。
- 友引
- 「勝負なき日と知るべし」勝負事で何事も引分けになる日とされており、現在のような「凶事に友を引く」という意味はなかった。凶事慎む。
- 先負
- 「先んずれば即ち負ける」何事も控えめにて吉。午前中は凶、午後は吉。
- 仏滅
- 「仏も滅するような大凶日」「物滅」が近年になって「佛(仏)」の字が当てられたもの。万事に凶。
- 大安
- 「大いに安し」 何事にも吉。昔は泰安すなわち全てにおいて安泰で、最も吉日とされた。
- 赤口
- 「赤目日」という凶日で、万事に凶。午の刻(正午)は吉。