「僧侶」「お坊さん」「お上人」と様々な呼び方かありますが日蓮宗の「お上人」になる為にはどの様な段階を踏み、どんな修行があるのかを特集致しました。
お上人になる為にはまず、仏様の教えを求める強盛な信仰心がなくてはなりません。その上で、日蓮宗の教師の弟子になること。そして数年間基礎的な学問と修行を積み「得度」をします。
次に宗門に得度届を提出、承認されると「度牒」という証明書が交付されます。この段階のお坊さんを「沙弥」といいます。
その後も寺院で随身をしたり、宗立の寮等で修行を続け、入場考査を受けて合格すると始めて「信行道場」への入場資格が与えられます。
総本山身延山での三十五日間の信行道場を終了すると僧階が授与され、「日蓮宗の僧侶」つまり「お上人」になることが出来るのです。
これから、今まで述べた信行道場までの修行と、その後の修行について概略を説明してまいります。
将来日蓮宗の僧侶となる学童の教育機関のことで、日蓮宗の初代管長である新居日薩が開いたのが初めとされます。当初は沙弥校と称していましたが、後に僧風林と改称されました。現在では夏休みに全国各地で約一週間程開かれています。
得度とは元来、救うことの出来るという意味で度牒とは、迷いの世界から悟りの世界に渡るという意味を持っていました。それが転じて、出家し僧となること仏門に入る事等と現在は用いられています。
出家して得度届が受理されると千葉県小湊の清澄寺に於いて宗務総長より度牒の交付を受けます。
この修行においては
の三つを基本として布教や法要の修練と仏教学の研修など厳しい教育が行われます。日蓮宗の僧侶となる為には必ずここで修行をしなければなりません。
時代に即応した布教をする為の布教師養成機関で、主に青年増を対象としています。高座説教の他、街頭布教、行脚等様々な布教活動について学びます。現在は千葉県市川市にある真間山弘法寺で、六月一日から半年間開設されています。
布教に必要な行儀技術を体得錬磨するための機関ですが、法話特に本宗独特の高座説教に重点を置いています。
年一回二週間開設され、五回以上受講した者でないと卒業試験を受けることができません。
日蓮宗の定める法要式の精通、声明の錬磨と全教師に対する普及と徹底を目的とした声明師を養成する機関の事です。現在は年に一回一週間の期間を定め開設されています。
千葉県市川市の中山法華経寺内にある荒行堂のことです。毎年十一月一日から二月十日迄の厳寒期に百日間開設され、飢え、寒さ、睡眠不足の中、伝師より祈祷秘伝の極意が伝授されます。本宗の加持祈祷は加行所を修了した者でなければ行うことが出来ません。
以上簡単ですが「日蓮宗の修行」について述べさせて頂きました。この様にして一人前の僧侶となってからも、更に行学二道に精進努力していくことに変わりはありません。